No.79(ルネサンスA):

「ルネサンスの限界とは?」

ルネサンスは教会・社会を風刺はしたが、完全に否定するまでは到らなかっ
たため、ネーデルラントの人文主義者エラスムスとドイツの宗教改革者ルタ
ーの間に対立が起こったりした。また、ルネサンスで活躍した人々は、パト
ロン(保護者)の趣味や意向に合わせがちで、自分達の思想を深めることが
できにくかったこともルネサンスの限界である。さらに、イタリア戦争、オ
スマン帝国の地中海進出、「大西洋時代」への突入を背景とした東方貿易の
衰退などによる北イタリアの斜陽が重なったことも限界である。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
カール=シュミットの唱えた世界史の時代区分に基づく、「地中海時代」か
ら「大西洋時代」への転換期とルネサンスの関係について、大きな関心を持
ちながら学習に取り組んでいる。


思考・判断:
「エラスムスが卵を産み、ルターがそれを孵した」とされる、ルネサンスと
宗教改革の関係について、両者の対立に注目しながら的確に判断している。


資料活用の技能・表現:
特定のパトロンを避けることで、自分の描きたい絵を描き続けた、レオナル
ド=ダ=ヴィンチの作品やエピソードを有効な資料として,学習内容の理解
に役立ててい
る。


知識・理解:
特にイタリア=ルネサンスについては、イタリア戦争やオスマン帝国の地中
海進出による北イタリア諸都市の衰退が、栄光の時代の終わりをもたらした
ことについて、基本的な知識を身につけている。